[本]論語のことば

論語のことば (MY古典)

論語のことば (MY古典)

先日図書館で借りてきました。
昔、古典の授業であまりにつまらなくて、居眠りしていたような気がします。
あの時と違うのは、自分の意思でこの本を開いているということ。
とても深いことばが出てきます。あの時つまらないと思っていた自分が信じられないです。
ひとつ紹介します。

子曰く「学びて時にこれを習う。亦(ま)た説(よろこ)ばしからずや。朋(とも)あり遠方より来(きた)る、亦た楽しからずや。人知らずして慍(いきどお)らず、亦た君子ならずや」と

「学びて時にこれ習う」とは、教えられたことを繰り返し復習すること。「時に」とは、「常に」という意味。教わってもそのままにしておけば忘れてしまう。しっかり復習しなければ意味がない。
しかし、しっかり身につくとこんなにうれしいことはない。孔子は、「亦た説ばしからずや」(ああ何とうれしいことか)とうたっている。
「朋あり遠方より来る、亦た楽しからずや」は、学友をもつ喜びを言っている。人の一生で友人の存在は大きく、心の支えになってくれるのも友人である。
深い友情があると久しぶりに友人が遠くから訪ねて来たりすると、まるで自分自信にめぐりあったように喜びがわいてくる。
これを、「亦た楽しからずや」と言っている。
「人知らずして慍(いきどお)らず、亦た君子ならずや」とは、学問が上達してもすぐに世間で認められるとは限らない。正しいことをしていても、一生懸命尽しても、自分が思っているほど世間の反応はないものである。学問も善行も己のためにするもので、報いを求めてするものではない。報われようと、報われまいと、思いを尽くしてなすべきことをなすのが尊い。それが「人の道だ」というのが、「亦た君子ならずや」の意味である。
他人の評価を気にして、競争主義的な価値観ではなく、孔子は自分を高めることに価値を置いている。